初めてでもできる!「トマトの種の発芽のさせかた」を詳しく説明

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家庭菜園のトマト栽培は苗を購入してプランターや畑に植えるのが一般的で失敗も少ないのですが、種から育てたいという方も多いと思いますので、誰でもできる種からの育苗のヒントやポイントをご紹介します。

条件が合えば色々な形でできると思いますので、一例として参考にしてください。

 

プロは温室やハウスで温度や水やりを自動で管理ができますが、家庭では自分で管理しなければいけません。

ですから、あまり時間が取れない方には、種から育てるのはお薦めできません。hatsuga.jpg

しかし、家庭菜園向きのヒーター付の育苗器が売られていますので、それを使えばだれでも簡単に温度管理ができ、苗を育てることができますし、多少温度管理がうまくいかなくても育つことは育ちます。

要は発芽には一定の高温が必要なわけで、コタツやアンカなど身の回りにあるものをいろいろ工夫してオリジナルな方法で試してみることもできます。

体温を利用する人もいるようですが、もし腹巻の中で適温が得られればお金のかからない方法ではありますよね。

ここでは電気マット(1700円位)を使って、お手軽で失敗のない方法で育ててみます。

 

一般的に種を発芽させる3要素は水、酸素、温度といわれています。

もちろん酸素は絶対条件なので、種を蒔く用土は前日に水を与えて適度な水分になるようにすれば、土が水浸しになるようなことは避けられます。

そうすると、種を発芽させるための残ったポイントは温度ということになります。

そして、種の発芽条件は植物それぞれで違っているので、トマトにはトマト固有の発芽条件を理解して育てることが簡単な発芽につながります。

 

おいしい実ができるためには強い光が必要なトマトなのですが、発芽時には光がいりません(嫌光性)。

真っ暗の中のほうがよく発芽しますが、たとえ光があっても発芽はします。

光の条件より水分と温度の条件が合えば発芽するようです。

このポイントを押さえれば、普通なら種まきから3、4日目には発芽して成長が揃います。(2015年の結果は4日目で88%、2016年は3日目60%、4日目94%の発芽率でした)

そして、短期間でいっせいに発芽させるということがポイントで、その後の育苗の管理も楽になるし、良い苗を作ることにもなり、多くのメリットがあります。

 

別に発芽するまでの期間はどうでもいいじゃないか、芽が出ればいいんだ、と思われそうですが、発芽までが時間がかかるということは、トマトからみれば低温などで成長するには適していないと判断しているわけで、その後の開花や結実にすべて影響してきます。

花が咲かない、実が着かない、実が少ないなどと言ってみても、それこそ後の祭りなわけです。

 

トマトの種の蒔きどき

関東や東海、近畿といった温暖地では、霜の心配がなくなる4月下旬から5月上旬が苗の植え時となりますので、そこから50~60日逆上った2月下旬から3月上旬が種の蒔きどきとなります。

しかし、まだ寒い2月下旬から3月上旬に種を蒔くため、発芽の温度条件に合わせる工夫(つまり加温'保温')が必要となるわけです。

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もちろん、6月くらいに蒔けば無加温でも育ちますが、開花の時期が真夏の高温時になってしまい、うまく受粉、結実できるかということと、収穫が9月くらいになってしまいます。やはり7月には食べたいですよね。

ということで2月下旬から3月上旬に種を蒔くのが一般的なのです。

 

種の吸水

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トマトの種は 新しいに越したことはありませんが、古い種でもきちんと保存してあるものは十分に成長します。

トマトの種は寿命が長く(長命種子')、5年とか言われていますが、保存方法によってはもっと延びます。

もし種が余ったら、低温で温度変化が少なく、湿度の低い環境、つまり乾燥した状態で保管すれば来年以降も利用できます。数年以上もたせることも可能です。

そのためには家庭では冷蔵庫を利用するといいでしょうね。

ここで毎年蒔くトマトの種も1~数年前の種も含まれていますが、発芽率は悪くありません。

 

トマトの種は、低温から常温に出して吸水させ、暗いところで高温にすると、簡単に発芽のスイッチが入り、容易に芽を出してくれます

発芽時には種はその重量とほぼ同じ分の水を吸って発芽するとされています。

そのためには朝に種まきをするとすれば、前の晩から水に浸けて吸水させます。

もちろん、事前に水を吸わせなくても土に適度な水分があれば発芽はしますが、事前に水に浸すことによって発芽抑制物質があれば流れてくれます。

さらに、発芽するときに双葉が種の殻から抜け出やすくもなります。

 

用土

DSCF4719.jpg種を蒔く用土は余った適当な土を使うのではなく、できれば微量成分の入った種まき用の市販の培土'を使うことをお薦めします。

中には高すぎるものもみかけますが、写真の種まき培土25Lはだいたい700円位のものです。

自分で調合してもいいでしょうが、量も多くないのであれば市販の種まき用培土を利用したほうが便利です。


蒔く前日に種を水に浸すと同時に、発泡スチロールの箱にセルトレイやポットに土を入れ種を蒔くを準備します。

土にはしっかり水をあげて事前に加温(25~28℃)しておくと、さらに発芽が揃いやすくなります。

 

種まきと覆土

ここではいわゆる「芽出し'」作業はしません。

吸水した種を5㎜くらいの深さに蒔き、土で覆ったあと軽くならします。そのあとはしっかり水やりをしてから乾燥防止に上から新聞紙や不織布などをかけておきます。

多くの苗を育てるときは、種を蒔く深さ(覆土)をできる限り揃えましょう。

深く蒔いたり、浅く蒔いたりすると、発芽が不揃いとなります。


家庭菜園の場合、トマトの種は高いので、セルトレイ'や小さいポットに、種袋の指示通りでなく1粒ずつ蒔いて後から苗を選別したほうがいいかもしれません。

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発芽の適温と温度管理

水分と同じくらいポイントになるのがトマトの発芽温度の25~28℃という高温です。

種を蒔く2~3月では人工的に作り出してやらないとこの温度帯は、実現できません。

発芽を揃えるためには、この温度帯でスタートすることが重要です。

もちろんこの温度帯でなくても発芽しますが、低温だと発芽に時間がかかったり、発芽が揃わないことで、発芽後の管理がとても面倒になります。

さらに低温で育てると、成長にさまざまな影響を与えます。

逆に温室などで高温すぎると、その後の温度変化で枯れてしまうこともあります。

 

ここでは、発泡スチロールの箱(いわゆるポリトロ)に種を蒔いたセルトレイやポットを入れ、上から電気マットでフタをする加温方法をとります。

底から加温してもいいのですが、体験上、上からのフタで効果は十分です。そのほうが温度調整など管理がしやすくなります。

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適温を保つため、事前に温度計を使い箱の中が発芽適温になるように調整しておきます。

その時の気温にもよりますが、保温箱となる発泡スチロール箱にあった座布団程度の大きさの電気マットを使うとちょうど適温が得られます。

もし温度が高すぎるようであれば、マットとの間に段ボールを挟むなりして調整します。

逆に低いようであればマットの上に段ボールを重ねれば保温となり、温度が上がります。

発芽までの3、4日の間、夜間に温度を下げるほうが発芽の勢いが良い(変温効果)とされますが、電気マットのスイッチをずっと入れたままでも夜間は5℃程度の低くなり、温度差は生まれるので体験上、余り気にしなくてもいいと思います。

芽が出た後は発芽用の高温から生育の適温に下げて、太陽光に当てます。

 

発芽時の光環境

トマトの種は発芽するまでは光はいりません(嫌光性種子)。むしろ、発芽を妨げます。

したがって、うす暗い環境で発芽させます。 真っ暗で何の問題もありません。

窓際などに置く場合も光を遮ったほうが発芽しやすくなります。

もちろん光があっても水分や温度条件が整えば発芽します。

 

種まき後の水分管理

タネまき直後に水やりを十分に与えて、保湿のための新聞紙や不織布などがかけてあれば、その後、芽が出るまでの3、4日は水をあげなくとも適湿保たれるはずですが、中は高温なので様子を見てかけてある新聞紙が乾燥していれば霧吹きで濡らす程度あげてみればいかがでしょう。

芽を出して双葉が開き始めても、すぐは水は上げなくてもしおれることはありません。

双葉が展開して葉がねじれ始めてから水やりをすればいいのですが、判断がつかなければ、太陽に当て始めた最初の日は水をあげず、その後に水やりをします。

心配なら表面の土をほじくって湿り具合を見て、あげてもいいでしょう。

まだ苗が小さいので、水やりは百均などで売っているミニジョウロが便利で、1株1株丁寧にあげてください。

 

発芽後の管理

以上のような温度と適湿を維持すると、3、4日で発芽してきます。

温室や育苗器を使っている場合は最初から太陽光が当たっているかもしれませんが、暗い環境で発芽させている場合は、度は一転して太陽光に当ててやらなければいけません

芽が出始めたのに、暗いまま放置すると徒長'したヒョロヒョロの苗ができてしまいます。

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全部発芽することはないわけで、3、4日目に6、7割発芽したタイミングで、十分に太陽に当て始めましょう。

そのためにも温度環境を発芽の適温に保ち、できるかぎり発芽のタイミングを揃える必要があるのです。

発芽後はしばらくたつと、双葉も太陽を浴びて緑に変わります。

まれに、いつまでたっても双葉が緑にならず黄色いままなのは何らかの原因で不良です。
順調に育っている苗の本葉が数枚出てから双葉が枯れていくのとは別です。 参考:双葉の形と役割

発芽後の生育温度は8~32℃ですが、理想の温度は日中は20~25℃、夜間は15~18℃です。

育苗時の適温を表にすると、大まか次のようになります。

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家庭菜園の場合は、細かく管理はできないと思いますが、できる限り理想の温度帯で育てられるようにします。

さらに同じ温度で育てるより、昼夜の気温差が7~10℃ついたほうが以後の成長に良い影響を与え、花や実の着きかたも良くなるとされています(変温効果')。

ただし種まきから発芽までの間は温度を変化させなくても25~28℃の温度帯であれば効果は変わらないようです。

本葉2枚目が出るくらいまではできれば、屋外などで12℃以下の低温25度以上の高温に環境に長くさらさないほうが順調な成長が期待できます。

10℃以下では成長が停滞します。


まだまだ発芽しても、3月の気温は低いので、簡易温室や窓際などに置いてしっかりと太陽に当てながら温度を上げてやる必要があります。

衣装ケースなどの透明な箱が代用できます。

衣装ケースなどフタをしたままで放置すると中は50度以上になることもあります。夜間に外に出しっぱなしだと5℃以下になったりします。

おそらくこの時期の温度管理が一番大変で、高温にし過ぎたり、低温にさらしたりたことで失敗につながりますので、こまめな管理が重要です。

 

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発泡スチロールの箱(いわゆるポリトロ)、セルトレイまたはポリポット、育苗用の土、温度計(100均でOK)、電気マット(1700円位)、透明衣装ケース、段ボール、霧吹き、ミニジョウロなど

 

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播種から3日目で一部は発芽してきました。

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4日目で生きている種はほぼ発芽します。(2015年の結果は4日目で88%、2016年は3日目60%、4日目94%、6日目100%の発芽率でした

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4日目から太陽光にさらすので双葉もしっかりと緑に変わります。

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はい、ここまでで1週間がたちました。

いかがでしたか。

この通りやってみると発芽させるのは簡単だということがお分かりいただけると思います。

しかし、発芽したからといって安心してはいけません。

まだまだ、2月だと外気温は栽培するには低温すぎます。

その後のプランターでの栽培は次の記録を参考にしてください。

種からの大玉トマト育苗記録 (その1)

種からの大玉トマト育苗記録(その2)

プランターで作る大玉トマト栽培記録(その1)

プランターで作る大玉トマト栽培記録(その2)

プランターで作る大玉トマト栽培記録(その3)

コメント(2)

こんにちは、ハゼ爺と申します。
家庭菜園2年目です。来年は種からトマトを栽培したいと計画しています。ここは細かく説明してあるので、非常に参考になります。

芽が出た後、太陽に当てるとありますが、北陸金沢の冬ではほとんど太陽が出ません。LEDなどの照明が必要となりますが、明るさはどの程度でしょうか?
Lx(ルクス)で3000Lx程度でしょうか?

その後、苗が大きくなりましたら、もっと明るくした方が良いでしょうか?
機器の選択に利用したいと思います。
よろしくお願いいたします。

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プロフィール

神奈川県在住のトマトファーマーです。
露地で大中小のトマトを中心にさまざまな野菜を栽培していますが、プランターでも大玉トマトを栽培してみたところ、露地栽培とは違ったプランター栽培の難しさに気づきました。
ここではプランターでの大玉トマト栽培のさまざまな問題点を探しながら楽しんでいます。
今年は舞台を畑に戻し、トマト中心にお伝えします。

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